住宅の気密性能を表示するのに相当隙間面積(C値)という値があります。
相当隙間面積とは床面積1㎡当たり何c㎡の隙間があるかを示す数値です。
次世代省エネ基準の導入と共に相当隙間面積の基準(北海道、北東北ではC値が2以下、
それ以外の地域では5以下)が設けられました。
気密という概念は従来の日本の住宅には無かった概念で、
その必要性があまり理解されていませんでした。逆に建物の気密が高まれば、
中に住む人が窒息するとか、木の柱や梁が腐ってしまうとか
誤解されたりしています。
本来、高気密なくして高断熱はありえないのですが、
それ以外にも住宅に気密が必要な理由があります。
?1.壁や窓から直接入って来る隙間風を防ぎ、冷暖房費を節約する効果
2.室内温度差を少なくする効果
3.外気が侵入し断熱材の中の空気が浮遊するのを防ぎ、断熱材の機能を補完する効果
4.繊維系断熱材の場合の防湿、結露防止効果
5.機械式換気装置の換気効率を高める効果
6.外部からの音の侵入を防ぎ、内部からの音の漏れを防ぐ効果
1)は素直に理解できます。
2)は1)の結果として生まれる効果です。
3)の効果は先に説明しました。
4)は少し難しいのですが、簡単に説明します。
グラスウール等の繊維系断熱材は非常に湿気を通しやすく、
また湿気を吸着しやすい断熱材です。
隙間の多い家では冬には家の中の湿気が壁の中に侵入し、
夏には外気の湿気や日射により高温になった外壁合板から
放出される湿気が壁の中に侵入します。
結露は温度差により生じます。
家の中を暖房する冬は外壁合板の裏側が温度差の境界になります。
家の中を冷房する夏には石膏ボードの裏側が温度差の境界になります。
その境界面に接した湿気が結露を引き起こします。
繊維系断熱材の中で結露した水は乾きにくく、
水を含んだ断熱材は断熱性能が落ちますので、
ますます結露するという悪循環におちいります。
壁の中にカビ、ダニ、腐朽菌が生育し、シックハウスの原因となったり、
柱や梁、合板を腐らせたります。気密を無視し、
繊維系断熱材を詰め込んだだけの住宅はその安全性、耐久性において非常に危険な建物なのです。
5)ですが、建築基準法の改正により24時間機械式換気装置の
設置が2003年以降の住宅では義務化されました。
一般的に使われるのが第3種換気装置(強制排気、自然吸気)です。
この換気装置を使えば、家の中の気圧は外部の気圧に比べると負圧になります。
建物に隙間が多いと、計画された吸気口からではなく、
壁や建具の隙間から外気を吸い込みます。
これは換気ではなく、漏気です。
風の向き、風の強さ、また季節により、漏気の量は変わります。
換気計画には狂いが生じ、その効率が落ちるのです。
6)の効果もすなおに理解できます。
静けさも快適な住宅の条件のひとつです。
また、テレビやステレオ、ピアノ等が発する中高周波音は隙間から漏れやすく、
近隣に迷惑をかけないためにも住宅の気密は必要なことなのです。
カナダのエネルギー省が開発した住宅にR-2000という高気密住宅があります。
日本でも数社がこの工法を採用し、日本での高気密住宅の魁となりました。
R-2000の基準での相当隙間面積はC値0.9以下です。
次世代省エネの基準が5以下(北海道、北東北以外)ですから、
住宅の気密に対する日本の基準は非常に甘い基準といえます。
相当隙間面積が5の家では風速5mの風が外に吹いていれば、
換気扇を回さなくても、家の中の空気は1時間で半分以上、
自然に入れ替わります。
建築基準法の改正により義務化された0.5回/時間の換気を
ある程度計画的に行うためには、次世代省エネの北海道、
北東北での基準である相当隙間面積2以下は必要となります。
計画換気とは、空気の入口、出口を明確にし、必要な量の
換気をすることですから、高気密なくして計画換気は
ありえません。









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