注文住宅を建築するに際してあなたは何処にこだわりますか?と言う質問がこれから家を建てる人へのアンケートによくあります。外観のデザイン、開放的な間取り、設備の充実、建物の耐震等々、人によって答えは様々ですが、その答えに床材はあまりありません。しかしながら、私が20年以上住宅に関わる仕事をして、一貫してこだわってきたのは床材です。ムクの木製床材です。住宅メーカー等の仕様書にフローリングと記載される床材は一般的に合板に0.2ミリ程度のスライスされた化粧材を着色塗装し接着剤で貼り付けた化粧合板です。表面は合成樹脂で硬化してあります。見た目は木製フローリングですが、素足で歩いた感覚はビニールフローアーと変わりません。日本の住宅で使われている床材の実に九割以上がこのカラーフロアーと言われる化粧合板です。
何故、これほどまでにカラーフロアーが日本で普及したかと言えば、それが安価であることと、ムクの材料では避けられない色むら、ソリ等の顧客クレームを大手の建材メーカー、住宅メーカーが恐れたからです。規格化された工業製品が日本の住宅産業においてムクの建材を駆逐したのです。その結果が昨今騒がれたシックハウスなのです。工業製品は人の見た目はごまかせても、人の体まではごまかせなかったのです。
そして、私が床材にこだわるのは家の中の部材で床が常に体に接する部材だからです。着るものに例えれば下着です。直接肌に接する素材は自然の素材が快適なのです。カラーフロアーを床で使った住宅では家の中でスリッパを使う人が多いのですが、天然ムクの床材を使った住宅ではスリッパが使われないだけでなく、靴下も履かず裸足で生活する人も多数います。何故なら、それが快適だからです。人の体は正直です。天然の素材に快適性において勝る材料はありません。赤ちゃんは床に全身を接してハイハイします。それが化学物質で固めた合板の床でいいのでしょうか?子供は家の中でも活発に遊びます。床に硬いものを落とせば、すぐにへこみ下地のベニアが現れるような化粧材でいいのでしょうか?ムクの床材も硬いものを落とせばへこみます、傷も付きます。しかしながら、ムクはムクです。下地のベニアが見えることはありません。使うほどに風合いを増し、色褪せることがありません。これから子育てをする若い世代の家造りでは特にこだわって欲しい部材が床材なのです。
健康住宅だとか、百年住宅だとか広告では標榜しながら、カラーフロアーを標準仕様としている住宅会社もありますので、家造りの業者選定には注意して下さい。限られた予算であっても、床材だけにはこだわって下さい。








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